家を建てようとして土地を探していると、気になる土地や不動産業者が紹介してくれた土地と出会います。
紹介してくれた土地を、現地へ見に行くことなく購入する方はいませんよね。
必ず現地を見て、購入するかの最終結論につながるはずです。
その際、現地へ見学に行ったときって、どうしても土地の広さに目が行きがちです。
もちろん広さも大切です。
でも、それと同じくらい現地で確認しないといけないことがあります。
それは、土地の状況です。
調べずに購入してしまうと、後々後悔することになるかもしれません。
この記事では、土地購入前の現地見学で、必ず確認したほうがいいことをお話ししていきます。
Contents
土地購入予定地域が「水」を連想する地名ではないか?
宅地開発されている場所で、昔の土地の状況を知ることが難しいですよね。
ですが、地名はその場所に関連することで名付けられていることが多いです。
例えば「洲」と言う漢字の使われている場所があるとします。
洲は、土砂が堆積して水面に現れた土地を意味しています。
読むだけで、あまり強そうな地盤ではないことが分かりますよね。
川や岸は、水辺に近いことが簡単に想像できますし、池や沼も近くにあったことが想像できます。
また、水害の多かった地域に堤を作った、沢は土地が周囲より低い場所にあり、水がたまりやすい場所のことを意味しています。
蒲など、水生植物の名前が付いている場所も、池や沼があったのかなと想像できます。
水に関連する名前が付いているからと言って、全ての土地で地盤が弱いかと言えば、そうとも限らないところが難しいところです。
ですが、土地の選択肢がたくさんあるなら、あえて選ぶ必要もないと僕は思っています。
道路のひび割れや電柱の傾きはないか?
通常、余程のことがない限り、道路にひび割れや電柱が傾くなんてことはありません。
大きな地震があった後なら、まだ分かります。
でも、そんなことがないのに、道路がひび割れていたり、電柱が傾いているなんてのを見たことがありませんか?
長い年月を経て、少しずつ地面に何かしらの影響があって、ひび割れたり傾いているのだと思います。
僕が子供の頃に住んでいたのは、横浜市でも田畑の広がっている地域でした。
田んぼの横には、電柱が多くありましたが、傾いているものが多くあったことを記憶しています。
もちろん、電柱の傾きを直す工事は行われていましたが、「田んぼの近くで、地盤が弱いから傾きやすい」と、聞いたことがあります。
もし、傾いていたりひび割れている構造物が近くにある場合、地盤が弱い可能性があります。
近隣住宅の基礎や塀の状態はどうか?
住宅の基礎にはいくつか種類がありますが、土台になるものなので、ひびが入ることは異常なことです。
ひびが入るということは、無理な力がどこかに働いていることになります。
また、塀に関しても同じです。
設置をする際、平行かどうかを確認しながら工事は行われていきます。
それが傾くということは、どこかで違う力が働いて傾く原因となっています。
基礎や塀を確認する際に注意していただきたいのは、勝手に敷地に入るのはダメです。
必ず、見える範囲で行ってくださいね。
崖(がけ)などの急傾斜の近くではないか?
上の図を見てもらうと分かりますが、こんな土地は注意が必要です。
各都道府県で、
- 急傾斜地崩壊危険箇所
- 急傾斜地崩壊危険区域
に指定されている場合、行政が崩れないように工事を行ってくれています。
急傾斜地は5mを超えるものになりますが、ここでお話しするものは、5m以内の崖になります。
上の図のような場所って、結構ありますよね。
僕の住む横浜市では、2mを超える崖に擁壁(ようへき)を作った場合、市に届けを出さないといけないことになっています。
また、擁壁下部にある土地に住宅等を建築する場合、横浜市に申請を行って許可がおりれば建築できる仕組みになっています。
2m以下の擁壁が1番問題で悩ましてくれる。
行政に届け出をしなくていいので、建築年や強度などが一切分かりません。
擁壁を設置している土地を持つ住人が、擁壁を作ったときの書類を保管していなければ、記憶でしか分からない状態になります。
このような場合、ハウスメーカーや不動産屋に相談して、調べてもらうことになりますが、なかなか正確な時期はわからないようです。
はっきり言って、2m超えよりも面倒で不安になります。
現地確認をせず土地を購入してしまうと、大金を支払う可能性がある。
下記4つについて、お話しいました。
- 土地購入予定地域が「水」を連想する地名ではないか?
- 道路のひび割れや電柱の傾きはないか?
- 近隣住宅の基礎や塀の状態はどうか?
- 崖(がけ)などの急傾斜の近くではないか?
この4つを種別ごとに分けると、地盤に関するものと急傾斜に関するものの2種類に分けれます。
実はこの2種類、知らずに土地を購入してしまうと、後々もの凄いお金がかかってしまうことがあります。
なぜ知らずに購入してしまうと、すごくお金がかかってしまうかを、種別ごとに理由をお話ししていきます。
地盤の弱い土地には、地盤改良工事が必要。
どこのハウスメーカーでも、家を建てる前に土地の地盤調査を行います。
調査結果によっては、地盤改良工事になります。
地盤改良工事には、いくつかの種類があります。
・表層改良
・柱状改良
・鋼管杭工法
・スクリューフリクションパイル工法
・砕石工法
・シート工法
・木杭工法
もし軟弱地盤だった場合、上記工法の中から選択し、地盤改良工事を行う必要があります。
改良工事と聞くと、なんとなく工事費が高そうですよね。
とっても高い金額ですよね。
土地って高いです、家本体だって高いです。
だから余計なお金は使いたくはありません。
そのために、現地で自分で確認できる部分だけでも調べておくことが大切になります。
崖上だけでなく、下部の土地にも擁壁を作る必要がある。
通常このような土地の場合、上部の土地所有者が擁壁最下部までの土地を所有しています。
なので、擁壁を作り管理するのは、上部の土地所有者になります。
上部の土地を購入した場合、擁壁の施工代が必要となります。
また、すでに擁壁が作成されている土地だったとしても、経年劣化などの理由で、施工しなおさないといけないこともあります。
崖上部の土地を購入した場合、土地代以外にも擁壁施工代が必要になります。
そして、下部の土地所有者に全く影響がないかと言えば、そうでもないです。
各都道府県によって違いはありますが、擁壁下部の土地に家を建てる場合、条件を満たす必要があります。
僕の住む横浜市では、擁壁下部に家を建てる際、下記のように条件があります。
- 高さ2m超えの場合、崖下から崖の高さの2倍離して建築しなければならない。
- 崖の高さ2倍以内に建築する場合、高さ2mを超える擁壁を設けなければならない。
上記のどちらかの条件を満たせば、家を建てることができます。
でも、これってなかなか難しい条件です。
高さ2mだった場合、最低でも4mも離さないといけません。
狭くするのは、なかなか難しいです。
そうなると、敷地内に新たに擁壁を作るしかなくなります。
この新たに作る擁壁、大きさによって違ってきますが、平均100万円以上になることが多いそうです。
擁壁に隣接する土地を購入すると、上記のような金銭面でのデメリットが発生する可能性があります。
崖に隣接している土地を買わなければ、余計なお金がかかりません。
可能なのであれば、選択肢に入れないのが得策だと思います。
まとめ。土地を購入する前に、自分の目で見てチェックすることが大切。
土地の地盤と擁壁についてお話ししました。
地盤も擁壁も、もしもの時に家と住んでいる人を守ってくれることになるものです。
だからこそ、あらかじめ自分の目で見てチェックすることは、とても大切なことです。
地盤調査をする前から、周辺の状況で気になることが見つかれば、違う土地の選択肢もあるかもしれません。
擁壁のことを知っていれば、余計なお金を使わずに済むかもしれません。
だからこそ、自分の目で見て確認を行うことが大切になってきます。
事前確認をしっかり行って後悔のない土地購入ができたらと思います。
では、また~。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
この記事が少しでも参考になったらうれしいです。